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ことが必要である。
しかし、現実には、受験競争の過熱化等に伴い、知識偏重の風潮が強まる中で、学校外における生活体験、活動体験がますます不足してきており、その結果、青少年の人間形成上様々な問題が生じている。

 

?B生涯学習社会の中で
我が国はいま、豊かな生涯学習社会を築いていくことが求められている。生涯学習は、人々が自発的な意思に基づいて行うことを基本とするものである。したがって、自ら学ぶ意欲や課題発見、課題解決の基礎となる自主性、思考力、判断力などの資質や能力は、人間形成の基礎が培われる青少年期において、しっかりと身に付ける必要がある。
また、これらの資質や能力の基礎は、様々な体験を通して身に付けていくものである。

 

(2)青少年教育施設への期待
?@学校外活動の充実を
現代の青少年をめぐる諸問題を解決するためには、生活体験や活動体験の重要性を改めて認識し、青少年の成長期におけるバランスのとれた生活を実現していく必要がある。
このため、学校教育においても、いわゆる新しい学力観に立って、体験的な学習を重視するなどの改善を行っているが、何よりも、学校外における活動そのものの充実を図っていくことが急務になっている。平成4年から導入されている学校週5日制も、子供たちの生活にゆとりを与え、学校、家庭、地域社会の連携の下に豊富な生活体験や活動体験を積み重ねることにより、心豊かでたくましい人間に育ってほしいとの考え方に立って導入されたものである。

 

?A青少年教育施設での感動体験を
学校外活動は、文字通り学校以外での青少年の活動全般を指すものであり、その内容や場なども様々なものが含まれる、このような学校外活動を活発化していく上で、身近な場所における日常的な活動の促進ももちろん重要であるが、とりわけ青年の家や少年自然の家などの青少年教育施設における体験や活動に期待するところが大きい、これらの施設の多くは自然環境の豊かなところにあり、こうした環境の中で、青少年が宿泊しながら多様な体験をすることは、日頃の身近な場所では味わうことのできない感動を得るなど、現代の青少年の心と生活に大きなうるおいを与えるからである。

 

(3)国立青年の家・少年自然の家の現状と問題点
?@国立青年の家・少年自然の家の設置の趣旨
国立青年の家は、昭和34年、皇太子殿下(今上天皇)の御成婚を記念して、国立中央青年の家が創設されて以来、全国的に設置が進められ、これまでに13施設が設置された。
また、国立少年自然の家は、学制百年記念事業として、昭和50年からこれまでに、14施設が設置された。

 

 

 

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